月間MOEを読む。別にローマ字読みで想像されるような雑誌ではない。しかし絵本をテーマにした本なので、やはり手にとるには抵抗がある。それでもその本を見ざるをえなかったのはアン・グットマンとゲオルグ・ハンスレーベン夫妻の特集があったからだ。『リサ…

先述した「何を読んでる?」の質問に 『判断力批判』asin:4753102327、asin:4753102335 と答えるものの、最近ずっとサボってた(汗)。今回のが刺激になって旅行途中で上巻はかたした。モチベーションを維持して下巻も読むぞ(声に出すだけでなく字に起こし…

小泉義之『病いの哲学』、ちくま新書、2006。

野暮用で暇ができたので本屋で買ってきたもの(これまでも少しは読んでいたけど立ち読みや借りての読みだった)。一気に通読。思ったことを以下に何点か記す。これを読んでいるときにずっと脳内再生されていた曲、それはBLANKEY JET CITYの『ロメオ』だった…

カント『判断力批判』asin:4753102327

はまぞうがちょっと変わってる!それはともかくとして、カント再開。美の分析論より崇高の分析論のほうがわかりやすいし、面白いと感じる。もちろん美の分析論のほうが用意周到だということはわかるんだけど。マルコムのウィトゲンシュタイン回想録asin:4582…

ジャン・イポリット『論理と実存』評、『無人島1953−1968』所収。 これ、短いけどめっちゃ重要なことかいてますよ(って誰に向かって言っているのか)。 こことの関連で。

ヘーゲル『精神現象学』牧野紀之訳、未知谷、2001。ISBN:489642039X。

序言をちょっと読んでいる。発展していくことへの楽観主義というか積極性がヘーゲルを傲慢に見せたり、あるいはオトナとしての哲学者に見せたりするのだろう。訳す上での補足が多く論理的に意味を取りやすいが、だからこそ補足抜きで一度読んだ上で補足入り…

『判断力批判』、遅々として進まず。激ムズだが面白い。ゲーテがファウストに悪魔と取引させてまで入手させようとした世界の美しさについて、カントは神の子と言う立場から理屈だけで切り開こうとしている(境界線を引き、そこに立ち止まろうとしている)印…

三つの事情とともに精神分析を理(/誤)解する

新宮一成『ラカンの精神分析』、講談社現代新書、1995。 僕はラカンがいまいちよくわからない。正確に言うと、ラカンの解説ですら(一般にわかりやすいといわれる本書、あるいは内田樹さんや東浩紀さんの本での説明ですら)わかったという実感、腑に落ちると…

二人称、あるいは西川君が気絶してもトラウマさんところの探検隊を呼ぶという必要がないのかもしれないということについて

こちらは『生命と現実』、特に序文について。 対談に先立ち、序文において檜垣さんは木村さんの考えの紹介を行っている。その中で木村さんの基本概念の<あいだ>を取り出し、「そうした<あいだ>で示されるのは、二人称の知のモデルとでもいえるものではな…

訳語2(It uses four letter words,Twice!!)

こちらは『アンチ・オイディプス』の最初の文について。 「<それ>は排便し、愛撫する」(上巻p15)。 これはハードカバー版の訳者あとがき(p516)によると、英訳は”It shits and fucks.”であり、実は相当どぎつい言葉であることがわかる。いわゆる四文字…

訳語1

『生命と現実』木村敏/檜垣立哉、河出書房新社、2006。ISBN:4309243940 『アンチ・オイディプス』上下、G.ドゥルーズ/F.ガタリ著、宇野邦一訳、河出書房新社、2006。 ISBN:4309462804、ISBN:4309462812 の二冊を買う。前者はとりあえず一度読み、後者はパ…

パーマネント野ばらISBN:410301931X

サイバラ画伯の本。生きるということは行き急ぐということも含んでいて、それは死に急ぐということでもある。また、休むということは生きていく上で必要なことだがそれは限りなく死に近い状態である(なぜか今『あのころはフリードリヒがいた』の最終場面を…

で、

今は判断力批判に進む前に乱読期を作っていろんな本をパラ読み中。 『受動的綜合の問題』ISBN:4772004475、いわゆるフッセリアーナ中の一つなんだけど、これを読むと草稿研究が必要だということがよくわかる。現象学的分析が細かく、具体的。どうしても『イ…

読了

カント『実践理性批判』。カントの本を読んでいると浩然の気が養われる感じがする。目の前のことを、それも近視眼的に見て(あわててしまって)いたときに、ちょっと気が楽になったことがあったが、そういう力がカントの本にはあると思う(追記。『純粋理性…

再び棚からひとつかみ

本d(略)。ジル・ドゥルーズ「神秘家とマゾヒスト」宇野邦一訳、『無人島 1953-1968』前田英樹監訳、河出書房新社、2003。ISBN:4309242944。ドゥルーズがどうマゾヒズム(-サディズム)を考えているかが何となくわかる。僕はこれまでドゥルーズは「マゾッ…

実践理性批判(以文社、宇都宮芳明訳、2004)

もうちょっとで第一編終わり。今晩気合入れて読むか。

棚からひとつかみ(by山下達郎)した本から

本棚ないけど。フッサール『イデーン1−1』渡邊二郎訳、みすず書房、1980。ISBN:4622019167 所収の「あとがき」を読む。唐突に(オレが開発した)現象学こそ哲学(の問題)を解決するものなんだとか、イデーンは今読むと不完全なところあるけど、大体のとこ…

中島らもさんの雑誌掲載分を取りまとめた 『君はフィクション』ISBN:4087748197 『何がおかしい』ISBN:4861911869 が発売されたので読む。前者は最後の作品としてところどころ(例えば鈴木創士さんの『中島らも烈伝』、pp.159-161)には書かれていた「DECO-C…

実際に読んでみた

先日のコメントを受けて市野川さんのベンヤミン論を読む。ベンヤミンの『暴力批判論』の原文を読み解くことでよりベンヤミンの文章が持つ両義性(と言うべきか?市野川さんははっきりした解釈を示しているし。むしろベンヤミンの持つ複雑な、悪く言えばいや…

読んだ本

帰省中なので適当に選んだ本である 『法の力』ジャック・デリダ著、堅田研一訳、法政ウニベルシタス、1999。ISBN:4588006517 の第二部、「ベンヤミンの個人名」を読む。前にも書いた、ベンヤミンの出してくる二項対立はそれら自体が相互にたえず干渉しあうも…

『実践理性批判』宇都宮芳明訳、以文社、2004。ISBN:4753102319 注釈と本文を往復して読むと面白く読める。最近カントばかり読んでたのでちょっと飽きているのかもしれない。たまにこういうことはある。 『フーコーコレクション3 言説・表象』ISBN:4480089934…

そう言えば

前回の日記での論文再読し忘れた。もう一度読み直して(『純理』を読み終えて)書評書くつもりだったのに。なかなか予定通りには進まない。

純粋理性批判

先験的弁証論(高峯一愚訳による)まで読む。それなりに感動する。まず一つはこの本が時間をかけてかかれたものだと言うことが実感できたということ。それは時間の積み重ねだけが持つことのできる力がある(同時にこれを3ヶ月で読んだ気になるのは無謀だとい…

買い物

買った本。 現代思想2006年7月号 特集=幾何学の思考 これは友人のデビュー論文(以前校正していたのはこれだったりする)が掲載されたので。改めて読み直すと焦点が絞られている印象を受ける。あまり知られていない人について書くとき、焦点を絞ることは難し…

少し先取りで

友人の書いた論文を読む。校正。情報交換をしながら。近日中に公刊されるらしいので、そうなったら入手して再読することにする。面白かったけど難しかったので。

『ヒューマニズムについて』ISBN:4480083529

ハイデガー著、渡邊二郎訳、1997、ちくま学芸文庫。 『純理』の口直しに。積読本の中からざっと読んだ。いわゆる後期思想に属する本なわけだけど、ハイデガーは『存在と時間』にも言及し、ハイデガー自身が何を言いたいのかを説明しようとしている。けど、全…

純粋理性批判

少しサボったのでメモ。4 経験的思惟一般の要請から読むこと。

関係するのかな

今カントの『純粋理性批判』高峯一愚訳ISBN:4309241115ど、カントの理性は面白い。理性の二側面、ほっとけばどんどん経験から離れたことについても考えざるを得ない理性と、現在理性的という意味で使われている、その理性を適切な使用におさえることのできる…

読んだ本

ノーマン・マルコム『ウィトゲンシュタイン』、板坂元訳、平凡社ライブラリー、1998。ISBN:4582762662 ジャック・デリダ『コーラ』守中高明訳、未來社、2004。ISBN:4624932528。 古本屋で購入。明らかにレポート後売りました的な品揃えの中のものの中から選…

拾い読みを混ぜ合わせてみる。

ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』、ベンヤミン・コレクション1所収。 「これがファシズムが進めている政治の耽美主義化[美的知覚化]の実情である。このファシズムに対してコミュニズムは、芸術の政治化をもって答えるのだ」(p629)。 一応学部時代に…