読んだ本

古本屋で購入。明らかにレポート後売りました的な品揃えの中のものの中から選択(メルロ=ポンティものだと『現代思想冒険者たち』シリーズ、NHK『哲学のエッセンス』シリーズ、そしてなぜか上巻だけの『知覚の現象学』があった)。
その中の二冊を短さにまかせて一気に読み込む。

マルコムの本は小編ではあるが、狂気と紙一重な天才の姿がよく出てて面白かった。モンクの伝記は前に原書を入手しているがまだ未読。もしかしたらささやかな鎮魂的な無意識が(自分で書いててよくわからないが)この本を手にとらせたのかもしれない。

デリダの本もまた面白かった。西田幾多郎の「場所」論文も一応読んだことがあるし、また『ティマイオス』も以前読んだことがあるが、その底なしの底とでも言うべき深淵を最後までのぞききっているのはデリダなような気がする。そのことは他の2人がダメだということではなく、そのわからなさにとどまるということもアリなのだということが新たにわかったというだけのことだ。

底がないということを底がないと言う形で理解することを目標としたのは郡司幸夫さんだったか。また、空間的な上下というものはレンズを介する以上既に倒錯したものだ。倒錯した者がみる底なしの底とは何なのだろうか。

『スペインの宇宙食』も再読中(WANTED終わるらしい。残念)。前にも書いたけど、これは僕が今入っているMLに触発されてはまりだしたもので、やっぱりDCPRGの企画書関係のテキストが僕にとって一番面白いことをMLメンバーには謝っておかなくてはいけない(謝られても困惑するだろうけど)。こういうまじめにふざけているかと思えばまじめをふざけて演じている、そういうものが混入しているテキスト、企画書というアジテーションが多分に含まれたテキストというものはかえってロジックオンリーで言われるよりその気になるものなのだと思う。