月間MOEを読む。別にローマ字読みで想像されるような雑誌ではない。しかし絵本をテーマにした本なので、やはり手にとるには抵抗がある。それでもその本を見ざるをえなかったのはアン・グットマンとゲオルグ・ハンスレーベン夫妻の特集があったからだ。『リサとガスパール』、『ペネロペ』の両絵本の作者である二人がどのように作品を作っているのかということに興味があった。読んでみて二人の仕事の丁寧さがよくわかった。絵も文章も互いにあわせて書(描)き直すことがあるのだそうだ。作曲と作詞と違って部分的なやり直しがきかない(離散的ではない)絵というアートにおいてそれをやるということ(文章だって大幅な書き換えが要るはずだ)がとても印象的だった。あと、バックグラウンドがしっかり作りこまれているというのも印象的だった。例えばペネロペはアニメ化されているが、そのときの日本スタッフとのやり取りが一部紹介されており、それを読んでいるとバックグラウンドがしっかりしているからこそリサ、ガスパール、ペネロペの行動がよりリアルさを増しているということがわかった。空間(背景)と時間(行動)は別々のものなのだけども不可分なものでもあるのだ。