メモ

知に対するのは信か愛か。西田幾多郎も読んでみること。

遺稿というものについてのメモ

小泉義之さんの『病いの哲学』を読みながら考える。遺稿というものは、遺したものという意味でその人の死を意味する。その人の病いを「なかったことにし」、生きているときの声がそこにあるかのような響きを持つものではないか。この意味において死後出版を…

ビオスとゾーエー

金森修さんと小泉義之さんの対談(「いのち、ゾーエーとビオスの狭間で」『談』No.74所収)を読んで少し考える。この二人の違いを知っておくと(そしてその違いが対談で確かめられたことをあわせて考えると)二人の文章が微妙に対談への間接的な応答を含んで…

いろいろ思う

春だからか、いろいろ変なことを思いつく。 1.三原則 大学時代の先輩がロボットについての修論を書いているので読む。その中でアイザック・アシモフによって作られた有名なロボット三原則がある。第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、そ…

ちょっと関係あるかもしれない

水曜WANTEDを聴く。「戦後」の音楽である1920年代ドイツ、同じく「戦後」の日本とアメリカの合体した(今週の放送の言葉で言えばポストモダンな、先週の放送の言葉で言えば「アリアリな」)音楽、そして一気に抽象化したジャズといった流れ(で合ってるかな…

フロイトについて

現在は『夢判断』ISBN:4102038035ど、ちょっとそれとは別にメモなどを。 フロイトと言えば汎性論、エディプス・コンプレックスに目が行きがちだけど、そのエネルギー(リビドー)の発生論的問題と考えれば、わかる気がしないでもない。つまり、何かに向かう…

草稿について

だいぶ間が空いたが、新しい事実を発見。フッサールの習っていた速記法はゲーデルも学んでいたらしいということ(松岡正剛さんの「千夜千冊」より。検索して飛んでください)。記号の切り詰め、それによって何が起こるか(何を起こそうとしていたのか)。ま…

読んでいくと

今少し読書会のマネゴト(って書くと参加者に悪いんだけど、とりあえず通常一般に考えられている読書会とはちょっと形態が違うと言う意味)をしているんだけど、こういうことをしていると、理解が深まると言うこともそうだけど、読まなければならない本が増…

ジル・ドゥルーズ

前述のアンソロジーを読みながらつらつらと考える。まだまだ難しい人であることには変わりない(分厚い『資本主義と分裂症』二冊、『差異と反復』も未完読だからしかたないのかもしれないけれど)、けれど、これを読んでいるとドゥルーズ自身の議論嫌いに逆…

経験知/値

ニュースとしては前の話になるが、政治家の後藤田正晴さんが亡くなられた。この人については、かつて下で働いていた佐々淳行さんの書いた『わが上司 後藤田正晴―決断するペシミスト』ISBN:4167560097ど、この中に後藤田さんを評して(もちろん世間では切れ者…

エロスとタナトス

エロスとは端的にいって「生き急がせる力」のことだ。同様にタナトスとは「死に急がせる力」のことだ。バタイユの『エロティシズム』の最初はそういうことを言っている。難しいのは、生き急ぐことは結果的に早い死をまねくことがありうるし、死が止まること…

感想

『ニコマコス倫理学』は面白かった。『形而上学』でも思ったが、あくまで論理学的な部分、個別撃破的な論の進め方にこだわっていると感じた。確かに、たまに木を見て森を見ずというか、あまりに変な個別事例を持ち出してくることもあるけれど、それを悪く言…

引越しして数ヶ月経ったが、図書館を見つけ、入ってみた。 そこで久野収編の三木清論集を読んだんだけど、その中の解説で編者が「三木とよく似た思想家はドイツのヴァルター・ベンヤミンであろう」とか書いてあった。実は僕もよく似ていると思っていたので、…

最終的に

面白かったし、いろんな話を聞けた。同期で現在博士課程の友人からは現在進行中の企画についての話が聞けたし(以前ここで言及した友人。やっぱりノゲスはチェックされていた)、他のみんなの話からは現在の研究室の状況が面白く聞けた。 その上で僕なりに感…

振り返って

いい意味で虚ろになれた日だった。まじめな話もちょっとしたけど、もうちょっとそういう話を聞かせてほしかった気もする。 それよりは帰り道がやばかった。車の不便さを思い知らされた。

振り返って

積極的休養ということで言えば、この日が一番休めた日であったと思う。

振り返って

正直高速ビビってました。 みんなの話を聞くのは面白いんだけど、何か違和感がありました。歳をとったということなのでしょうか。

舞台裏

岡本真夜熱冷めず。以前からの持論「別れたいならそう言えばいいじゃない」と「サヨナラ」には連続性がある、ということも確かめたくなり "Hello"asin:B00005GFGU。 彼女の歌詞を聴いていると、生き生きした顔の描写がほとんどないことに気づく。広末涼子へ…

顔とか身体とか

メルロ=ポンティとかレヴィナスとかの面白いところはフッサールとハイデガーの両方から考えているところだと思うんだけど、顔とか身体とか言い出す辺りはハイデガーのあるものをあるほうからのまま見る(だったっけ?)の基礎存在論としての現象学の定義に近…

草稿(以下ry)

著者の言いたいことというのは何か?小林秀雄はベルクソンが死後出版を禁じた理由として、たしかもう『道徳と宗教の二源泉』で言いたいことは全部言ったから、という趣旨のことを書いていたと思う。しかし皮肉なのはこの理由を論じている部分というのは、小…

草稿というものについてのメモ

最近亡くなった哲学者、ジャック・デリダ(といってももう昨年のことだが。とはいえ、大阪の旭屋書店ではいまだにデリダ追悼コーナーみたいなのがあったような気がする)。日本語訳をちょっとずつ読むくらいしかしていないのだけど、一般に彼はものすごい著…

数学と人との関係

以前ここにも書いたが、僕の大学時代の友人には数学に強い興味を持っていて、実際にそのことについて論文も書くような人がいる。僕からすればうらやましいこのこの上ない才能(才能の問題にしてはいけないのかもしれないけれど、少なくとも数学を好きでいら…

草稿というものについて(メモ)。

『ユリイカ』ブログ作法 『パピエ・マシン』 タイプライター、「オン書き」。テキストクリティークが(何だかんだ言われつつもやっぱり)必要であることに対して。

虎の尾を踏む2.嘘がつけないということに関して。

僕は嘘をつくのが苦手だ。結構顔に出るらしい。しかし、この嘘や相手に秘密にしておくということは上の考えと一緒にずっと頭に引っかかっていたものでもある。 話は変わるが高校生のころ、「ここだけの話だけど」というイディオムとして"between you and me"…

虎の尾を踏む1.超越論的経験論。大地と島。

メルロ=ポンティ『フッサール『幾何学の起源』講義』ISBN:4588008153 の後に、 レヴィナス『フッサール現象学の直観理論』ISBN:4588003577 を読む。本当であれば、順番が逆になっていたほうがよかったのかもしれないが、でも、彼らのフッサールとハイデガー…

そして僕は歳をとっていく

10年前の曲が流れていくのを聞く。それだけだったら別にどうということのない話なのかもしれないけれども、最近読んだ『ユリイカ』の菊地成孔さんによると、ヒットチャートが最近は20年周期から10年周期になってきているそうで、その意味で僕はすでに「一回…

僕もたまには(声について)考える

「サザエさん」のワカメ役が交代とのこと。ワカメ役をしておられた方は「ドラえもん」のしずか役もされていた野村道子さんで(はてなのキーワードでは「この人の声を聞いたことのない人はいるのだろうか」って書かれてたけど)、一気に大きな仕事を二つも降…

バルトからサンプリングへ

ロラン・バルト『現代社会の神話』ISBN:462208113X。以前は抄訳しかなかったが、今回著作集の一冊として完訳版が出た。しかし高ぇよ。ところで、この本の中でも使われているバルトのコノタシオン/デノタシオンはイェルスレムウという人がもとだったとか。シ…

『西田幾多郎の生命哲学』ISBN:4061497723

副題はベルクソン、ドゥルーズと響きあう思考なんだけれど、本文中に「ベルクソン=ドゥルーズ」と書かれているように、ちょっとドゥルーズよりかなと思った。本文中にはでていないけれど、ドゥルーズと響きあっていると思われる箇所を二箇所ほどメモしておこ…

記号論は非主体的か?

『世界制作の方法』ネルソン・グッドマン著、菅野・中村訳、みすず書房。ISBN:4622006235。 グッドマンの本を読んでいると(で話していると)いつも出てくるのが主体とか経験とかないの?っていう話。記号論がどうしても決定論的に見えてしまうみたい。記号…