ジョージ・バークリ『人知原理論』、大槻春彦訳、岩波文庫、1958。asin:4003361814
ちょっと読んでみたんだけど面白い。観念論といってもドイツ観念論的なものとは違い、むしろ現在の言語哲学のような感じを受ける。言語の濫用の話とか読むと感覚与件の話は決して突発的に出てきたのではなく、少しずつ言語というたまねぎの皮をはいできたというイギリス哲学の伝統上にあるものなのではないかと思わされる。冨田恭彦さんがロックに関して現代言語哲学では矛盾するように見える(けど冨田さんはそこに問題解決の鍵を見出そうとしている)見解を出しているが(『アメリカ哲学の最前線』)、その面白さがちょっとわかりかけそう。『観念論って何?』と一緒にバークリをもうちょっと読んでみようかなと思う。