メルロ=ポンティ

今日はメルロ=ポンティの『眼と精神』を読んだ。メルロ=ポンティは少し前にかじったことがあり、ある二次文献については読書会までやったことあるんだけど、今読み返すととても難しいことが今さらながらわかる。比喩や言い換えが多く、わかりやすそうでとっつきにくい。とりあえず1周させての感想のメモ。

視覚に対する特権性について。メルロ=ポンティはこの論文であえて見えるということに特化して話を進めている。そのため、『知覚の現象学』より事態が限定されているように見える。けれども、その話で何を進めていくかというと彼の後期思想に顕著な存在論への傾斜がある。僕はどうしても目が見えない人を念頭に置きつつ読んでたんだけど、単純にそれが反論になるとは思えなかった。下手をすれば狭い議論にしかならないところなんだけど、その狭い道から頂上に上ろうとする、そういうことも大事なのだと思う。そしてそれができる(だって下手をすれば一般性のない議論にしかならない)ところは『知覚の現象学』から続くメルロ=ポンティの才能の一つなんだろうと思う。

ものまねに対する笑いについて。あれは視覚的に我々がどう見ているかをあからさまにしているところに面白さがあるのだということに気づく。