デュルケーム著『自殺論』、宮島喬訳、中公文庫。ISBN:4122012562

  • 第一編、非社会的要因

要するにここでは「巷で言われている」原因を否定しているわけ。自殺の報道の是非、あったかくなると自殺が多くなる(≒あったかくなると電波な人が増える)ということについてなどの分析は今でも話題になることがあるだけに関心を持って読むことができた。
メディア・リテラシーという言葉があるけど、統計資料をもってして(もちろん無批判に用いる、ということではない)きっちり結論を導ける人というのはうらやましい。学生のころいきなり統計をやらされて以来ちょっと受け付けなさがあるのだが、今はちょっと後悔している。社会学でいうと反社会学講座やこの本を読んでみると、後悔する気になる。何ていえばいいのか、面白いところをみせる<目の前のニンジン>、届きそうで届かないところにある面白いものを見つけておくことが進むために必要だと思うけれど、そういうのを見つけておけばよかったと今さらながら思う。