というよりは買った本を。

『書評のおしごと』橋爪大三郎海鳥社、2005。ISBN:4874155421
社会学者橋爪さんの書評集。著者は「規定演技のカタログ」であり、「著者(というか、評者)のまとまった考え(自由演技)」ではないと書いてあるが、なかなかどうして、十分橋爪さんの著書を「すかし読み」することができる。ウィトゲンシュタイン関連の書評から「オースティンからハートへの一筋の道」などは明らかに『言語ゲームと社会理論』を指しているし、フーコー『性の歴史』の書評は論文「フーコー微分幾何学」、さらには構造主義と数学の関係に触れている『初めての構造主義』につながるものであろうことは理解できる。僕が気になったのは同じ社会学者の宮台真司さんが『Interviews』をちょっと前に出版していて、何か似ている(実際二人とも小室ゼミ生だったはずだし、その影響か、非常に矢面に立つ理論社会学者である)ことのほうが気になった。社会学的には今、一まとめの時期だと言うことなのだろうか。