ユリイカ

webサイト『哲学の劇場』を主宰されている吉川浩満山本貴光両名が紹介されている「人文系」はたしかにおすすめどころがそろっていた。ちゃんとカテゴリーわけを「劇場」をベースにしているところもポイント高し。

確かに有名どころをそろえてるし、僕自身読んでいるブログも多く紹介されてはいました。ですが(だからこそ、なのか?)それとは別にまだまだブログは過渡期なのではないか、もしかするとブログはずっと過渡期のままではないかとも思った。

というのは、ある執筆者が紹介しているブログの書き主が別のコーナーの執筆をしているということが多かったからだ。

例えば、内田樹さんは今回エッセイを寄稿しているが、さっきの人文系ブログ紹介に紹介されています。で、内田さんが紹介している増田聡さんは音楽ブログの紹介者でもある。

で、その紹介の経緯は必ずしもブログを通じたものではない。また、いろいろな執筆者が編集者に「あんまり他のブログを包括的に見てまわってませんけど、(記事を)書いていいんですか」と聞いたことが記事中に散見される(それこそ本人のブログに白状?されていることもあった)。結果、知り合い同士のブログ紹介になってしまっている部分もあるように思う。

副題の「ブログ作法」は「作法」、つまりお手本集としては正しいが「ブログ」の作法かって言うとちょっと違うんじゃないだろうか。紹介されている人たちの中でブログになってから書き始めた人というのもあまりいないようだし。この本の中でブログでなくちゃいけない必然性というのがあまり感じられなかったのが、正直なところ。