のっことりえこ

最近立て続けにNOKKOさんの出ている番組を視聴する(テレビドキュメンタリー/ラジオライブ)。ラジオのほうは弾き語りで「フレンズ」、「人魚」など。ちょっと声変わった?奥井亜紀っぽい声質というか、高音に少しゆらぎ入ってるような。でも、オリジナルの強さは変わらない(フレンズにしろ人魚にしろカバーも結構聞いたけど)し、弾き語りにも合ってた。その曲間のMCで、「『フレンズ』と『lonely butterfly』は子どもに聞かせると、子どもの心を揺さぶるみたい」というようなことを聞いていて、なんかわかる、と思った一方で、なんでわかったんだろうともひっかかっていた(いや、この2曲は僕が個人的に好きな曲というのもあるのだとは思うけれど)。

ところで、NOKKOさんは現在熱海で子育てをしているそうで、その様子がドキュメンタリーでは放送されていた。全然関係ない僕がこんなこと思うのは変かもしれないけど、「あ、お母さんしてる」と思った。

その時に(ラジオ→テレビの順番だったので)、子どもの心を揺さぶる理由がちょっとだけわかったような気がした。それは、母親が見せた「女性」の部分、それもおそらくは父親ではない別の男性との過去(2曲とも決してスムーズな恋愛を歌った曲ではなく、それは子どもにとっては父親以外の男性を暗示する)だからなのかなと思う。これだけだと何かエディプスな話にしかならないけれど、もう少しつっこんで大事なところは、その女性としての過去込みで今、いや自分を生んだ母親がいる、ということをなんのてらいもなく、肯定的に母親が示している、ということがあるのではないか。

そういえば、西原理恵子さんの『毎日母さん』の中でも、西原さんが自分の娘さんにお父さん以外の男の人とつきあったことがあると答えたら、娘さんがとても動揺したというシーンがあったけど、それもそういうことなのかもしれない。たしかNOKKOさんの子どもさんも娘さんだったはずだ。女性だからどう、みたいな話は好きではないけれど、もうちょっと考えてみたいと思った。

自然法と実定法(国家制度)

某友人が書いたブログ記事の一節より。それによれば、

自然に真理が内在すると考えるということは、認識論的にはかなり大きな変化を意味している。

ということらしいけど、大事なこととして、自然固有権(プロパティ)概念を創出した人物と、おそらくは結構初期段階で認識の働きを「知性」として、その考察に取り組んだ人物とは同一人物*1であったことは指摘しておく必要があると思う。

昨年は『統治二論』も読んだけど面白かった。彼のプロパティ概念からカントの義務概念への結びつきが(経験論からカントへの流れほどには)わかりにくく、これがもう一人のジョンが書いた『正義論』の見通しを悪いものにしているように感じた。『正義論』はまだ途中だけど。この点でノージックのほうがわかりやすい、のだろうか。2011年は少しこちらも読んでみようと思う。

*1:もちろん、『統治二論』、『人間知性論』のジョン・ロックその人である。

あけまして

おめでとうございます。下(前回)の記事から1年か(他人事)。確か4月くらいに書評2本(『経験のための戦い』、『カントの人間学』)書こうかと思い、実際に書いたら書き終えた瞬間にパソコンがフリーズ。2週間の入院生活を余儀なくされたことがきっかけとなって、ここからは遠ざかっていました。twitterをはじめたりしてたので(右下)、生きてることは伝わってたと信じたい。

断片2

自らが死ぬことから目を背けることで成り立つ、とする生への考え方に対する、生き急ぎとしての死、あくまで(死を忘れている、忘れさせるはずの)生に内在する死という考え方。前者は結局のところ死を無限遠点的なものとして、より徹底して死を忘れる仕方に過ぎないのではないか。

散財

最近買ったもの。

  1. 現代思想フッサール特集号asin:4791712064青土社、2009。
  2. 『男と女』asin:B001G6RB7W、2008。
  3. 『男と女2』asin:B002L48FZ0、2009。

1はフッサール特集か、というとそうでもないような(間文化論とか、精神分析とか。いや、フッサールからヒントを得てきているのはわかるけど)。最初の価値論はフッサール倫理学(あるいは美学)としての価値も高いとは思うけど、リアルとイデアルの関係からカントの認識論に価値論を読み込んでいくそのやり方までを取り扱っている点で、むしろフッサール思想そのものの一貫性が認められるという点で僕には面白かった。公刊された文書では『論理学研究』から『危機』まで読んでやっと得られるような(一方で著作間の断絶として認識されざるを得ない)フッサールの考え方の流れがよくわかるテキストであるように思う。あと、かつて『フッサール現象学asin:4771015015で評判が高かったザハヴィの文章がわかりやすいように思った。ちゃんと読もうと思っている間に売切れてしまっていたので、今回読んでみて、買っておくんだったと後悔する。
2、3はなぜかこの時期に買ってしまうカバーもの。つるの武士さんのもそうだけど、原曲が結構かぶるので、つい買うのを躊躇してしまっていたが、聞いてみるとそれぞれのデュエット相手が個性的であるためか、思ったより新鮮。個人的には『真夏の夜の夢』(with 岡本真夜)がよかった。かつての「ゆらゆら」の流れを受けているものの、この人こんなに艶っぽく歌えるのか、と見直した。